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奈良県の法律事務所数・弁護士数

奈良県は、弁護士数・法律事務所数が共に全国中位をやや下回る県

日本弁護士連合会が発行している弁護士白書2016年版によると、2016年3月31日時点での奈良県の法律事務所は90件、弁護士登録者数は166人。法律事務所の数は47都道府県の中で31番目、弁護士登録者数は27番目と、ともに中位よりやや下に位置します。

弁護士数・法律事務所数は比較的少ないものの、人口に対しての弁護士数は標準レベル

奈良県の人口(137.6万人)は、全国で30番目にあたります。県の人口と弁護士数で比較すると、人口1万人あたりの弁護士数は1.22人。これは全国で23番目にあたり、県の人口の順位と比較すると、少なくはない値です。

大勢としては、奈良県の人口・弁護士数・法律事務所数は比較的少ない状況と言えますが、人口に対しての弁護士数は、全国的に見て標準レベルと言えます。

奈良県の法律事務所 受任案件の傾向

一方で、人口が少ないから、法律事務所に集まる事件の数も少ないか、というと、そういうわけではないようです。

奈良県の弁護士は、民事事件・家事事件の取り扱いが全国平均の2倍以上!

弁護士白書2016年版で公開されている「弁護士1人あたりの民事事件・家事事件数比較」によると、2015年、奈良県の弁護士1人あたりの新受件数は民事事件6.3件、家事事件が9.5件でした。

弁護士1人あたりの民事事件・家事事件件数比較(弁護士白書2016年版)
民事事件数(件) 家事事件件数(件)
奈良県 6.3 9.5
全国平均 3.8 3.8

この弁護士1人あたりの新受件数、全国平均は民事事件・家事事件の合計が7.6件であることをふまえると、奈良県は民事事件・家事事件の合計が15.8件であり、奈良県の弁護士は全国の弁護士の平均よりも2倍以上多忙、特に家事事件に業務が集中しやすい状況と言えます。

弁護士の案件数には、都市部と地方で開きがある

実際のところ、事件の発生数・弁護士の数、ともに東京・大阪を中心とした大都市圏に集中しており、弁護士1人あたりの件数は都市部で少なく、地方で多い傾向があります。 全国平均も都市部に引っ張られて低めの値ではあります

個人の感情に深く関わる分、客観的な分析力が求められる奈良県の法律事務所業務

奈良県は、年間3千万人を超える観光客が訪れる、全国有数の観光地でもあります。世界各国から観光客が押し寄せるため、一昔前は、特段の苦労もなく生活を営むことができる恵まれた地域と言われていました。

こうした地域性から、県民性は、のんびり屋で積極性に欠けると言われていますが、言い換えればマイペースということであり、自分のペースを崩されることを嫌う傾向にあります。そのため、家庭内での揉め事も多く、一旦トラブルになると、家事事件に発展するケースが比較的多いものと考えられます。

こうした身内や親族間の紛争は、関係が個人的であるほど感情的な部分が大きくなり、火種を残してしまうと、また新たな紛争が起こることが危惧されます。できるだけお互いが納得する結果に導けるよう、迅速で真摯な対応はもちろん、客観的に分析する力が求められます。

奈良県の法律事務所への就職・転職で、求められる人材像

奈良県では、家事事件の受件数が多い状況ではありますが、賃金・不動産、債務整理、交通事故などに関する民事事件の受件数も少なくありません。多種多様な案件に柔軟に対応できる能力や、幅広い知識が必要となることはもちろん、相談者の視点に立った、わかりやすく親身な対応ができる人材が強く求められます。

親しみが持て、相談者との間に円滑な人間関係を築けるということも、奈良県で就職・転職を考えている弁護士、法律事務所スタッフにとって必要とされる要素です。

奈良県の法律事務所 求人・採用の状況

全国的に弁護士の数は増加している

近年、日本の弁護士の数は全国的に増加しています。この傾向は、1999年以来行われている司法制度改革に端を発しています。

国民全体にとって司法サービスを使いやすい、より身近なものにするための改革の取り組みのひとつとして「法曹界の人員拡充」の方針が示されました。

この方針にもとづき、法科大学院制度、新司法試験の導入と合わせて、司法試験合格者数の増加が法曹界全体の取り組みとして進められてきました。

弁護士人口は10年間で1.7倍以上に

こうした取り組みの結果、日本の弁護士数は急激に増加しました。

弁護士白書によると、平成16年(2004年)日本全体で20,224人だった弁護士数は、平成26年(2014年)には35,045人となり、10年前に対して173.3% と、大きな伸びを見せました。

弁護士数増加の一方で、合格者の質の低下、働き口の不足を指摘されるケースも多く、司法制度改革の成果には賛否両論があるものの、東京への弁護士の集中・地域格差解消という視点で見れば、都心部以外の地方弁護士会の登録者数も増加が進んでおり、一定の効果が出たものとも言えます。

奈良県の弁護士数 10年間での増加率は、全国平均並み

奈良県の弁護士数も、こうした法曹界全体の動きに添って増加を続けています。 平成16年(2004年)に91人だった奈良県の弁護士は、平成26年(2014年)には157人に増加しました。

弁護士会別の弁護士数の推移(法曹養成制度改革顧問会議 参考資料「法曹人口について」より)
平成16年(人) 平成26年(人) 10年間の増加数(人) 比率(H26/H16)
奈良県 91 157 66 172%
全国計 20,224 35,045 14,821 173%

この弁護士増加数10年間で66人という値は、弁護士会別の順位では52ヶ所中36番目、増加率の172.5%は、9番目に低い値です。

奈良県の弁護士人口は増加傾向にはあるものの、増加率は飛躍的な伸び率とは言えず、全国平均の1.7倍とほぼ同等の値です。

以前は、法律事務所が奈良市、大和高田市などに集中している状況でしたが、法曹界全体の動きに添って他の市町村にも次々と開設され、奈良県の弁護士不足は解消されつつあります。しかし、まだまだ法律事務所は日常で付き合いのない、敷居の高い存在と思われがちです。今後は県民のニーズに応え、司法がより身近な存在となるよう、制度の充実が求められるでしょう。

法律事務の求人は増加・多様化の時代に

こうした弁護士数の増加は、そのまま法律事務職の採用増加にも直結します。

近年は、弁護士広告の自由化やインターネットの普及の影響もあり、弁護士や法律事務所が提供する司法サービスは一層、多様化が進んできています。弁護士の活動範囲が広がることで、法律事務職、弁護士秘書やパラリーガルなど、弁護士をサポートする人材の必要性も高まってきました。

また、都心部を中心に、出産や子育てなどの理由で休職・退職した社員の業務復帰を奨励する企業も出てきています。法律事務は、通常の事務業務と異なり法的な専門性が求められる部分も多い職業のため、教育コストを抑えた即戦力登用の観点からも法律事務所の間で関心が高まりつつあります。

いわば法律事務所の運用・経営そのものが変革期と言える状況の中、こうした様々な変化は都市圏から段階的に地方へと波及していくものと予測されています。

奈良県においても、弁護士数は増加傾向にあるものの、それを上回る勢いで事件数が増加している状況をふまえると、今後も新進の弁護士や司法サービスの需要は拡大するものと考えられます。そして、その環境下においては、弁護士を下支えする存在として高いスキルを持つ法律事務に求められる役割は大きく、今後さらに法律事務人材の拡充と整備が進められていく見込みです。

奈良県の法律事務所 市町村一覧

このページには奈良県の下記市町村に対応している弁護士事務所を掲載しています。

明日香村 安堵町 斑鳩町
生駒市 宇陀市 王寺町
大淀町 三郷町 桜井市
橿原市 香芝市 葛城市
上北山村 川西町 河合町
川上村 上牧町 黒滝村
広陵町 五條市 御所市
下市町 下北山村 高取町
田原本町 奈良市 天理市
天川村 十津川村 野迫川村
東吉野村 平群町 御杖村
三宅町 大和高田市 大和郡山市
山辺郡山添村 吉野郡吉野町

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