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北海道の法律事務所数・弁護士数

北海道は、弁護士・法律事務所の数がともに全国で6位

日本弁護士連合会が発行している弁護士白書2016年版によると、2016年3月31日時点での北海道弁護士会連合会（札幌、函館、旭川、釧路）の法律事務所は508件、弁護士登録者数は957人。これらは、ともに全国で6番目の上位にあたります。

北海道の人口に対する弁護士数は、全国的に見て比較的恵まれた環境

北海道の人口（540万人）は、全国で8番目にあたります。道の人口と弁護士数で比較すると、人口1万人あたりの弁護士数は1.78人。これは、全国で9番目にあたり、47都道府県の中では多い値です。

大勢としては、北海道の人口に比較して弁護士数・法律事務所数は多めであり、人口に対する弁護士数は比較的恵まれた状況、と言えます。

北海道の法律事務所 受任案件の傾向

一方で、弁護士数が多いから、分散されて1人あたりが受け持つ受件数は少ないのか、というと、そういうわけではないようです。

北海道の弁護士は、家事事件・民事事件の取り扱いが全国平均より多い

弁護士白書2016年版で公開されている「弁護士1人あたりの民事事件・家事事件数比較」によると、2015年、北海道弁護士会連合会（札幌・函館・旭川・釧路）の弁護士1人あたりの新受件数を平均すると、民事事件5件、家事事件が9.7件でした。

この民事事件・家事事件の新受件数、全国平均は民事事件・家事事件ともに3.8件であることをふまえると、北海道は地域によってばらつきがあるものの、平均して全国の弁護士に比べても多忙で、特に函館、旭川、釧路は家事事件に業務が集中しやすい状況、と言えます。

弁護士の案件数には、都市部と地方で開きがある

実際のところ、事件の発生数・弁護士の数、ともに東京・大阪を中心とした大都市圏に集中しており、弁護士1人あたりの件数は都市部で少なく、地方で多い傾向があります。 全国平均も都市部に引っ張られて低めの値ではあります

法的な判断のみではなく相談者の気持ちへの配慮が求められる北海道の法律事務所業務

日本で最も広大な面積を有する北海道は、農業産出額が全国の約13％を占める、日本屈指の農業地帯です。一方で、高齢化の進行に伴い、農業従事者、農家戸数は年々減少傾向にあり、農地相続や後継者問題などにまつわる家庭内トラブルは、近年増加の一途を辿っています。

また、北海道は全国でトップ３に入るほど離婚率が高い地域であり、慰謝料・養育費、親権争い、財産分与などの離婚問題にまつわる家事事件の受件数も多い状況です。

こうした家事事件では、相互の感情的な部分が大きくなりがちで、一旦こじれてしまうと当事者間での解決が難しくなります。北海道の法律事務所業務では、法的な視点からのみではなく、相談者の気持ちに寄り添い最良の結果に導くことができるよう、知識と経験に基づく的確な対応が求められます。

北海道の法律事務所への就職・転職で、求められる人材像

北海道唯一の政令指定都市で、道内の人口の約35％を占める札幌市、及びその周辺の地区では、労働問題、消費者問題、交通事故に関わるトラブルなど、日々様々な案件が飛び込んできます。一方で、道東方面は、家事事件の依頼が集中しやすいなど、広い北海道では地域によって事件の特色や忙しさが異なります。

北海道の法律事務所業務では、どのような案件にも前向きに取り組む姿勢や、多忙な環境の中でもワークライフバランスをしっかり取り、安定した精神力を保つといったことも必要になります。

北海道の法律事務所 求人・採用の状況

全国的に弁護士の数は増加している

近年、日本の弁護士の数は全国的に増加しています。この傾向は、1999年以来行われている司法制度改革に端を発しています。

国民全体にとって司法サービスを使いやすい、より身近なものにするための改革の取り組みのひとつとして「法曹界の人員拡充」の方針が示されました。

この方針にもとづき、法科大学院制度、新司法試験の導入と合わせて、司法試験合格者数の増加が法曹界全体の取り組みとして進められてきました。

弁護士人口は10年間で1.7倍以上に

こうした取り組みの結果、日本の弁護士数は急激に増加しました。

弁護士白書によると、平成16年（2004年）日本全体で20,224人だった弁護士数は、平成26年（2014年）には35,045人となり、10年前に対して173.3% と、大きな伸びを見せました。

弁護士数増加の一方で、合格者の質の低下、働き口の不足を指摘されるケースも多く、司法制度改革の成果には賛否両論があるものの、東京への弁護士の集中・地域格差解消という視点で見れば、都心部以外の地方弁護士会の登録者数も増加が進んでおり、一定の効果が出たものとも言えます。

北海道の弁護士数 10年間での増加率は２倍以上！

北海道の弁護士数も、こうした法曹界全体の動きに添って増加を続けています。 平成16年（2004年）に419人だった北海道弁護士会連合会（札幌、函館、旭川、釧路）の弁護士は、平成26年（2014年）には886人まで増加しました。

北海道の弁護士増加数467人という数字は、全国で5位、増加率の211.4%は14位にあたります。

弁護士会別で見ると、釧路７位、旭川9位、札幌16位、函館30位と、4つの弁護士会いずれも全国平均以上の増加率であり、特に釧路と旭川が高い伸び率になっています。

十数年前まで、司法過疎地域が複数存在していた北海道の状況をふまえると、10年間での弁護士増加率が2倍以上という値は、北海道民にとって司法が利用しやすく、身近な存在になったと言えるでしょう。

しかし、日本全体の約22％を占める広大な面積を有する北海道においては、法律事務所までの交通アクセス面などを考えると、まだまだ弁護士数が十分に足りているとは言えず、自治体、弁護士会等による積極的な弁護士の誘致対策が今後の課題になるでしょう。

法律事務の求人は増加・多様化の時代に

こうした弁護士数の増加は、そのまま法律事務職の採用増加にも直結します。

近年は、弁護士広告の自由化やインターネットの普及の影響もあり、弁護士や法律事務所が提供する司法サービスは一層、多様化が進んできています。弁護士の活動範囲が広がることで、法律事務職、弁護士秘書やパラリーガルなど、弁護士をサポートする人材の必要性も高まってきました。

また、都心部を中心に、出産や子育てなどの理由で休職・退職した社員の業務復帰を奨励する企業も出てきています。法律事務は、通常の事務業務と異なり法的な専門性が求められる部分も多い職業のため、教育コストを抑えた即戦力登用の観点からも法律事務所の間で関心が高まりつつあります。

いわば法律事務所の運用・経営そのものが変革期と言える状況の中、こうした様々な変化は都市圏から段階的に地方へと波及していくものと予測されています。

北海道においても、広大な面積に相反して多いとは言えない弁護士の数や、旭川・釧路方面の弁護士が抱える案件の多さをふまえると、今後も新進の弁護士や司法サービスが進出する余地は大きく、むしろ積極的な誘致が必要と考えられます。多忙を極め、複雑・多様化する弁護士業務に対応するためにも、法律事務に求められる役割は大きく、今後さらに求人数が増加していくと考えられます。

北海道の法律事務所 市町村一覧

このページには北海道の下記市町村に対応している弁護士事務所を掲載しています。