法律事務所事務員のための服装の選び方
法律事務所によって異なる事務員の服装の選び方
法律事務所に事務員として就職・転職するにあたって気になることの一つは、服装の選び方です。
服装より中身が大事とは言いますが、中身は服装で判断されがちなのも事実。法律事務所という特殊な業界において、事務員として職場に溶け込み、クライアントや弁護士、同僚から良い印象を持ってもらうにはどうしたらよいでしょうか?
その答えですが、実は法律事務所事務員にふさわしい服装の選び方は、勤務する事務所によって大きく変わり、正解は一つではありません。つまり、勤務する事務所ごとに服装の選び方を検討すべきなのです。
とは言え、おおまかな傾向はありますので、以下でご紹介します。
オフィスカジュアルが主流
昨今、職場の服装のカジュアル化が進んでいますが、法律事務所業界も同様の傾向にあります。多くの事務所の事務員が、オフィスカジュアルと呼ばれる服装をしています。
オフィスカジュアルは、スーツスタイルからややカジュアルダウンした、清潔でキレイめ、過度な露出や派手さのない職場にふさわしい服装を言います。具体的にはトップスはシンプルなシャツやブラウス、カットソーで、ボトムスは丈の短すぎないスカートやパンツ、あるいは膝丈のワンピースなどを指します。ジャケットがあれば、よりキチンと感が出ます。
オフィスカジュアルの定義は幅広く、職場によっても異なるため、事務所から「服装はオフィスカジュアルで」と言われた場合でも、後述する確認方法でより具体的な内容を確認しましょう。
「服装自由」でもジーンズNGの事務所は多い
オフィスカジュアルよりもさらにカジュアルダウンし、服装自由という事務所も意外にあります。こうした場合には、ジーンズやTシャツ、ポロシャツ、カラフルな色合いや華やかなデザインの服装もOKとなります。
ただし、「服装自由」と謳っていても、実際にはジーンズを敬遠する事務所が多く見受けられます。服装自由と言われた場合でも、ジーンズがOKかどうかは確認すべきです。またジーンズがOKであっても、ある程度のキチンと感を出すならば、ブラック・ネイビー・グレーなど色合いの落ち着いたものを選んだほうが無難です。
また、生足、サンダル、キャミソールなどの露出の高い服装は、いくら服装自由であっても避けましょう。社会人としての常識が問われてしまいます。
クライアントとの打ち合わせ等ではジャケット必須の事務所も
法律事務所事務員の中には、弁護士とともにクライアントとの打ち合わせや法廷に出席する事務員もいます。
普段はジャケットなしでOKの事務所でも、外部の人と接する正式の場では、事務員にジャケットを着用させる事務所もあります。こうした事務所の事務員の中には、普段はジャケットを着ていないけれども、個人ロッカーにジャケットを常時置いておき、必要時のみ着用する事務員もいます。
仕事内容によって法律事務所事務員の服装の選び方は変わる
職場での服装は、その仕事内容にふさわしいものである必要があります。したがって法律事務所事務員の服装の選び方を考えるときにも、自分が事務所で担当する仕事内容をよく理解したうえで適切な服装を選ぶべきです。
資料整理を多く担当する場合
法律事務所には、膨大な事件ファイルや法律書が保管されています。こうした資料を整理するのは、事務員の大切な仕事の一つですが、これが意外に力仕事です。
資料整理を多く担当するようであれば、動きにくいスーツなどは避けたほうが、効率的に仕事ができます。
クライアントとの打ち合わせ等を多く担当する場合
さきほども少し触れましたが、法律事務所事務員の中には、クライアントとの打ち合わせに同席したり、法廷に同行したりする事務員もいます。
こうした外部の人と接することが多い場合には、よりフォーマルな服装を心がけましょう。スーツもいいですし、ジャケット着用のオフィスカジュアルも一つです。
ただし注意すべきは、法廷に同行する場合には、重い事件資料を持たされる場合が多いという点です。例えばタイトなスーツ、ハイヒールで重い事件資料を抱えて移動するのは、なかなかにハードです。外部からの見栄えと服の動きやすさ、どちらを優先すべきか、ケースバイケースでよく考えることが大切です。
法律事務所事務員の服装の選び方を確認する方法
法律事務所事務員の服装の選び方を確認する方法には、
- 募集要項に服装規定があるか確認する
- 所長弁護士に確認する
- 先輩事務員の服装を参考にする
の3つがあります。
募集要項に服装規定があるか確認する
法律事務所事務員の服装で悩んだ時には、まず求人票の募集要項を確認してみましょう。「服装規定」という項目があれば、それに沿った服装をします。例えば、「スーツ必須」「オフィスカジュアルOK」「ジーンズNG」「服装自由」などです。
所長弁護士に確認する
もし募集要項に服装規定がなかった場合には、所長弁護士に服装規定を確認するのが確実です。
というのは、法律事務所は所長弁護士の考え方でかなり雰囲気が変わり、雰囲気を構成する要素である服装規定も、事務所ごとに大きく異なるからです。
例えば、所長弁護士が、「法律事務所はカチッと堅実な雰囲気が良い」と思っていれば、事務員はスーツが必須だと考えるでしょう。逆に、「法律事務所は相談者が親しみやすい雰囲気が良い」と思っていれば、事務員はオフィスカジュアルでOKなどと考えるでしょう。
このように、事務員の服装にも事務所独自の雰囲気があります。所長弁護士がよしとする服装を心がけるのがベターです。
先輩事務員の服装を参考にする
複数の事務員が働く法律事務所であれば、先輩事務員の服装を参考にするのも一つの手です。
複数の事務員がいるということは、自分以外の事務員と協調して働く必要があります。先輩事務員とあまりにかけ離れた服装では、相手からも一歩引かれてしまいます。
先輩事務員よりラフ・派手な服装はオススメできない
例えば、先輩事務員がスーツを着用するなどキチンとした服装をしている一方で、後輩事務員がジーンズにサンダルなど過度にラフな服装をしている場合は問題視されがちです。先輩事務員から「だらしない」と思われてしまうからです。
また、先輩事務員が地味で控えめな服装をしているにも関わらず、後輩事務員がキラキラ派手な服装をしてしまうのもいけません。そのような服装をすれば、先輩事務員から「職場を合コンか何かと勘違いしている」と思われてしまいます。
事務員の服装でその法律事務所の印象が変わる
事務員の服装は、外部から見たその法律事務所への印象を大きく左右します。というのも事務員は、クライアントに対しては受付業務やお茶出しで直接関わりますし、裁判所や弁護士会、他の法律事務所とも外回りで直接関わるからです。そしてその際には、相手に必ず服装を見られます。
法律事務所事務員として働く以上は、自分が事務所の看板を背負っているくらいの気概で、外部から見て印象の良い服装を心がけましょう。
まとめ:法律事務所事務員として勤務先に合った服装を選ぼう
これまでの内容をまとめると以下のとおりです。
- 法律事務所事務員の服装の選び方は勤務先の事務所によって異なる
- 多くの事務所はオフィスカジュアルを求める
- 服装自由の事務所もあるがジーンズNGのケースが多い
- 資料整理が多い、クライアントとの打ち合わせ等が多いなど、自分が担当する仕事内容に適した服装を選ぼう
- 法律事務所事務員の服装の選び方を確認する方法は、「募集要項に服装規定があるか確認する」「所長弁護士に確認する」「先輩事務員の服装を参考にする」の3つがある
- 事務員はクライアントや裁判所など外部と直接接することで法律事務所の印象を左右するため、外部から見て印象の良い服装を心がけるべき
法律事務所事務員にとって、服装の選び方は非常に重要です。弁護士や同僚と協調して気持ち良く働き、クライアントや裁判所など外部の人からも信頼されるためには、その法律事務所の方針に合った、最適な服装を選びましょう。