弁護士秘書の仕事とは?気になる業務内容や実態に迫る!

弁護士秘書

弁護士秘書の業務は一般的な秘書業務に留まらず、書類作成や郵便物のファイリングなどの事務作業から事務所のゴミ出しといった雑務まであります。弁護士秘書には、それらの仕事をすべて事務所の経営に必要なこととして捉えてあらゆる業務をこなせることや、必要なことを先回りして準備ができる細やかな心配りができることが求められます。

弁護士秘書の仕事内容

弁護士は多忙なものです。事務所の規模や受注案件数によっては、一人ですべての仕事はまかないきれないこともあります。そこで、事務所での事務対応やクライアントへの対応を一手に引き受けてくれるのが、弁護士秘書です。

一般企業の「秘書」とは少し異なる弁護士秘書

「秘書」といえば、一般企業で言う「役員秘書」「社長秘書」を思い浮かべるかもしれませんが、弁護士秘書はそれらの「秘書」とは少し意味合いが違います。弁護士秘書は一般の秘書のように、弁護士のスケジュール管理なども行いますが、もっと幅広い業務を行うことが特長です。

弁護士秘書とは

弁護士秘書とは、簡単に言えば秘書として担当弁護士の業務をサポートする専門職のことです。弁護士がスムーズに仕事ができるよう会議やアポイントの日程を調整したり、資料を準備したり、会議に同席したり、とその仕事は多岐に渡ります。

業務内容

一般的な弁護士秘書の業務内容は以下の通りとなっています。「秘書」と言っても、幅広い業務を行うことが特徴です。

  • 郵便物・FAXの管理
  • 担当弁護士の会議・アポイントなどのスケジュール管理
  • 出張・旅券の手配
  • メール・電話応対
  • 来客対応
  • 裁判所等へ提出する書類や資料の作成
  • 書類のファイリング

弁護士秘書のやりがい

弁護士秘書は、担当弁護士が滞りなく業務を進めるために何が必要なのかを常に考え、先回りして準備をしなければなりませんが、経験を積んでいくにつれて業務の進め方をある程度まかせてもらえるようになります。また、クライアントがさらなる飛躍を遂げるのを間接的にお手伝いできることも弁護士秘書のやりがいのひとつです。

どんな人に向いている?

指示がなくても必要なことを察知して動ける人や細やかな気遣いができる人が向いています。また、仕事が丁寧でケアレスミスが少ないことも重要です。さらに、弁護士業務ではクライアントとの秘密を絶対に守らなければならないため、守秘義務を守れることも必須条件です。

弁護士秘書になるにはどんな能力や資格が必要?

多忙な弁護士の業務に関して必要なことを見越して準備を進めたり、担当弁護士の不在時にクライアントへの対応をしたりするのが弁護士秘書の役割です。そんな弁護士秘書に求められるスキルや資格はどのようなものがあるのでしょうか。

弁護士秘書に求められるものとは?

弁護士秘書には専門知識は必要ありません。弁護士秘書に必要なのは、細やかな心配りやスピーディーな事務処理ができることです。そのため、弁護士事務所によってはパラリーガルよりも弁護士秘書のほうが必要とされることもあります。

求められるスキル・能力

弁護士が仕事を進めやすいようサポートする気遣い、スピーディーな事務処理能力、コミュニケーション力などが求められます。意外にも、法律の専門知識は必要ないことがほとんどなので、法学部やロースクールを卒業していない方でも弁護士秘書のお仕事をすることは十分可能です。

パラリーガルより弁護士秘書を求められるほうが多い

法律事務所にもよりますが、専門性の高いことを弁護士ですべてまかなえるような事務所であれば、パラリーガルを必要とされることはほぼありません。むしろ必要なのは、電話応対やコピー取り、書類の準備や発想など、細かい事務仕事をしてくれる弁護士秘書です。

弁護士秘書としてスキルアップするにはどうすればよい?

弁護士事務所に入所して、ある程度経験を積んできたらステップアップも考えたいものです。そんなときには、秘書業務やパソコンに関連する勉強をしたり、弁護士会が主催する法律事務所職員向けの研修を利用したりすることをおすすめします。

弁護士秘書が持っているとよい資格

必須ではありませんが、以下のような資格を持っていると実務で役に立ちます。

秘書技能検定(実務技能検定協会が実施)、秘書能力検定(全国経理学校協会が実施)

これらは、一般常識から、秘書としての職務知識や資質に関することまで幅広く学べる資格です。基本的なビジネスマナーについても学べるので、秘書のお仕事を志望する人だけでなくこれから社会人になる学生も受けておくとよいでしょう。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOS試験は、WORD やEXCEL、PowerPointなどのMicrosoft製品を駆使するための能力やスキルを問う試験です。これを勉強しておくとパソコンのスキルを客観的に証明できる上、仕事の効率化にも直結します。

TOEIC

TOEICは言わずと知れた英語の能力を測る試験です。外資系の法律事務所などでは英語力が必要になることもあるので、TOEICである程度高いスコアを取っておくと安心です。

弁護士会での研修を受講する

弁護士会では、事務職員向けの研修を行っています。経験の浅い職員に向けての入門的な研修や地域によっては専門家の方を講師に招いて実践に即したテーマ別研修を行っているところもあります。スキルを高めるために積極的にこれらの研修を利用すると良いでしょう。

弁護士秘書の勤務時間や給与をイメージしてみよう

弁護士秘書の業務内容や求められるスキルについて把握できたら、弁護士秘書の1日のタイムスケジュールや待遇も気になるものです。弁護士秘書は日々どんな仕事に取り組んでいるのか、残業はあるのか、お給料はいくらくらいもらえるのか、気になるところを探っていきます。

気になる弁護士秘書の勤務実態とは?

弁護士秘書がどのように1日を過ごしているのか、また待遇はどのようになっているのかについてはあまりピンとこないのではないでしょうか。1日の仕事の流れや待遇について見ていきましょう。

1日のスケジュール

ある弁護士秘書の1日のスケジュールを追ってみましょう。弁護士秘書はどのように1日を過ごしているのでしょうか。

9:00 出勤・担当弁護士と打ち合わせ
9:30 リサーチ業務、請求書作成、来客対応、電話応対
12:00 昼食
13:00 リサーチ業務、書類作成、担当弁護士へ報告、裁判所への書類発送準備
18:00 終業(日によっては時々残業することも)

出典:弁護士法人匠総合法律事務所「法律事務所の秘書ってどんな仕事をしているの?」

弁護士秘書の就業時間・残業時間数

だいたい9:00もしくは9:30から17:00あるいは18:00頃までのところが多いです。1日の業務量によっては1〜2時間ほど残業する日もあります。ひと月あたりにすると約160時間ほどですが、月によって多少の変動があることに留意しておきましょう。

気になる平均年収は?

事務所があるエリアや事務所の規模・経営状態などにより異なりますが、だいたいひと月あたりの月給は初任給で20万円前後になるところが多いです。平均年収にすると360万円〜450万円前後で、一般企業に勤める場合とあまり変わらない水準となっています。

弁護士秘書はオールラウンドプレーヤー

弁護士秘書は本来の意味での秘書的な業務だけではなく、書類作成から事務所のゴミ出しに至るまで、様々な業務をこなさなければなりません。それゆえ、弁護士秘書はある意味オールラウンドプレーヤーであると言えます。面倒なことでも必要な業務として受け止め、粛々と業務をこなせる人が将来ステップアップできるのではないでしょうか。

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