法律事務所・事務職の志望動機~採用に効く志望動機はある?

面接で話す女性

効果的な志望動機で法律事務所の事務職を目指そう

採用に効く志望動機は存在する

法律事務所の事務職は、専門性が高く非常にやりがいのある仕事です。そのため就職希望者も多く、採用選考をパスするのは容易ではありません。

では採用に効く志望動機はないのでしょうか?

結論から言えば、法律事務所の事務職の採用に効く志望動機はあります。採用に効く志望動機の鍵となるのは、以下の3つのポイントへの意識です。

  • 法律事務所の特徴
  • 法律事務所事務職の適性
  • 応募する法律事務所の運営方針

この3つのポイントをしっかり意識し、その上で、自分が応募先の法律事務所に事務職として貢献できる旨を志望動機としてまとめられれば、採用担当者に「ぜひ採用したい」と思ってもらえるはずです。

以下で、3つのポイントを意識した志望動機の例をご紹介します。

法律事務所の特徴を意識した志望動機の例

法律事務所業界は、さまざまある業界の中でも非常に特殊な業界です。一般企業に進む方が絶対的に多いなか、あなたはなぜ法律事務所を志望するのでしょうか?この質問に説得力のある回答をするには、まず法律事務所の持つ特徴を意識する必要があります。

法律という専門分野を持ち社会に貢献したい

法律事務所は、法律の専門家集団として社会に貢献する職場です。

法律知識は、一般の方が一朝一夕に習得できるものではありません。また、仮に少しばかり知識を得たとしても、最新の法律に対応し続けられるかというと難しいものです。

しかし法律事務所は、法律の最難関資格を持つ弁護士や、その弁護士を補佐するスペシャリストである事務職を擁し、弁護士・事務職が日々研鑽を積むことで最新の法改正や実務運用に対応した法律サービスを提供できます。

この点を志望動機にまとめるならば、「法律という専門分野を持ち社会に貢献したい」などとするのもよいでしょう。

クライアントの抱えるトラブルを解決し、クライアントを笑顔にしたい

法律事務所の仕事は、クライアントのトラブルに関わります。

というのも法律事務所のミッションは、民事事件ではクライアントの紛争予防や解決を、刑事事件ではクライアントの不起訴や無罪獲得を目的に法的サポートを行うことにあるからです。

こうしたトラブルに関わる以上、法律事務所は、個人のクライアントであればそのクライアントの人生を、法人のクライアントであればそのクライアントの社運を左右することも少なくありません。

そうであるがゆえに、弁護士・事務職の業務の一つ一つには重い意味があるのですが、クライアントの希望を叶えた時には心から感謝されることも多いです。

これを志望動機に落とし込む場合、「クライアントの抱えるトラブルを解決し、クライアントを笑顔にしたい」などとするのも一つです。

社会正義の実現に寄与したい

法律事務所の仕事は、社会正義の実現に寄与できます。

現代社会は、すべからく法律で成り立っていますが、そのため、法律に通じている強者は自分の権利を主張できる反面、法律に通じていない弱者は権利を踏みにじられることもあります。

法律事務所は、権利がありながらそれを踏みにじられている弱者をサポートすることで、社会正義の実現に寄与しています。

社会正義の実現に寄与したいという点を志望動機にする場合は、具体例をあげて語るとより良い印象を持ってもらえます。例えば「借金問題ではグレーゾーン金利に悩まされている債務者がたくさんいる。自分の権利に気づいておらず困っている債務者を救い、社会正義の実現に寄与したい」などです。

法律事務所事務職の適性を意識した志望動機の例

法律事務所事務職を志望するにあたり、自分がその適性を持っていることを志望動機でアピールする必要があります。

コミュニケーション能力の高さを活かしたい

高いコミュニケーション能力のある方は、法律事務所事務職として適性があります。

法律事務所事務職の仕事は、クライアントのトラブルに関わるだけに、弁護士の指示の一つ一つを間違いなく遂行することは絶対条件です。その点、高いコミュニケーション能力で弁護士の意図を正しく汲み取れる事務職は、正確で適切な仕事ができます。

弁護士はその多忙さから、事務職にじっくり時間を取って指示できない場合がありますが、コミュニケーション能力の高い事務職は、最小限の時間で必要事項を聞き取り、弁護士に負担をかけず自分の仕事を着実にこなせます。これは非常にレベルの高い事務職だと言えます。

コミュニケーション能力の高さを活かしたい旨を志望動機に入れる際には、それを表す具体的なエピソードを語りましょう。例えば、「営業事務として多忙な営業職の意図を汲み、指示される前に、顧客面談で必要な資料を用意した。このコミュニケーション能力の高さを活かしたい」などです。

持ち前の向上心を活かしたい

向上心のある方は、法律事務所事務職として適性があります。

法律は日々改正されますし、実務運用も日々変わります。法律事務所事務職には、新たな知識を自ら学ぼうとする向上心が必要不可欠です。

これを志望動機にするならば、「前職では、自ら職務に関係する書籍を読んだり、講演会に足を運んだりして業務知識を深めてきた。こうした持ち前の向上心を活かして、入所後も日々研鑽を積み、貴事務所に貢献したい」などがよいでしょう。

弁護士を補佐するプロフェッショナルとして成長したい

法律事務所事務職を、弁護士を補佐するプロフェッショナルだと理解できる方は、法律事務所事務職として適性があります。

法律事務所の事務職は、実務上必要な法律知識を身に着けています。しかし、法律事務所事務職はあくまで弁護士の補佐職であり、弁護士ではありません。ですが、これをきちんと理解していない事務職は、自分の法律知識を過信し、弁護士の補佐職としての職分を逸脱してしまう場合があります。

事務職が弁護士の意向を確認せず、独断で仕事を進めることは言語道断であり、場合によっては非弁行為として法律に抵触します。逆に言えば、自分が弁護士の補佐職である旨を忘れず謙虚に過ごせる方は、法律事務所事務職に向いています。

ただし大切なのは、謙虚であっても受け身にならないことです。弁護士は弁護士としての、補佐職は補佐職としての仕事の極め方があります。自分にできる課題を探し、弁護士の意向を適宜確認しながら、積極的に仕事を進めることが大切です。

自分が弁護士を補佐するプロフェッショナルとして成長したい旨を志望動機でアピールする場合、「法律事務所事務職は弁護士を支える縁の下の力持ちだと考えている。弁護士を補佐するプロフェッショナルとして成長したい」などとするのも一つです。

応募する法律事務所の運営方針を意識した志望動機の例

ひとくちに法律事務所と言っても、その運営方針によって職場の雰囲気は異なります。したがって、応募する法律事務所の運営方針をしっかり意識し、それに沿った志望動機を用意する必要があります。

応募する法律事務所の取扱分野にたずさわりたい

法律事務所にとって取扱分野は、その事務所の運営方針に強く影響します。

法律事務所の取り扱う事案には、債務整理、労働問題、相続、企業法務、刑事事件など、様々な分野があります。応募する法律事務所が力を入れている取扱分野は何なのか、事務所の公式サイト等でしっかり確認しましょう。

そして取扱分野の事案に事務職としてたずさわりたい理由を考えます。例えば労働問題に力を入れている法律事務所に対しては、「ニュースで過労死やブラック企業の問題を見聞きしているうちに、弱者である労働者の権利擁護に関心を抱いた。こうした労働問題に力を入れている貴事務所でともに社会問題の解決に寄与したい」などもよいでしょう。

事務職の担当業務に能力・経験を活かしたい

法律事務所事務職には、パラリーガル業務・秘書業務・受付業務・経理業務など様々な担当業務がありますが、法律事務所の運営方針によって事務職に何をどこまで任せるかは異なります。

「法律事務職員」、「弁護士秘書」などの名称で募集をかけていても、実際には、判例調査や裁判所へ提出する書面の草案作成といったパラリーガル業務をする場合もありますし、事務所の経理に携わる場合もあります。逆に、「パラリーガル」という名称で募集をかけていても、小規模事務所であれば代表電話の電話取りや、弁護士のスケジュール管理を求められる場合もあります。

応募する法律事務所の運営方針として、事務職の担当業務をどのように考えているかは、応募者として要チェック事項ですので、求人内容をしっかり確認しましょう。

その上で、自分ならば担当業務をこのようにうまくこなせる、といった内容で志望動機をまとめます。例えば、「大学で法律を専攻していたのでパラリーガル業務には自信がある」、「前職では秘書業務を担当していたのでその経験を活かせる」などです。

所長弁護士の理念・ひととなりに感銘を受けた

法律事務所の大半は中小規模の個人事務所のため、所長弁護士の理念・ひととなりは、事務所の運営方針に大きく影響します。

法律事務所の公式サイト・ブログ・SNSから確認を

所長弁護士の理念やひととなりは、公式サイトなどからも確認できますが、いまは公式サイトだけではなく、ブログやSNSなどで自分の意見を積極的に発信している弁護士も多いので、そちらを参照するのも大事です。

所長弁護士の理念・ひととなりを確認したら、「××先生の××の理念に感銘を受けた」などと、どういったところに感銘を受けたのかまで、しっかり構成した志望動機を準備します。所長弁護士は確固たるポリシーをもっている方が多いので、自分の考えを理解してくれる応募者は貴重に思うはずです。

法律事務所事務職の志望動機は、しっかり下準備しよう

まとめ:法律事務所事務職の適性等を理解した志望動機を!

法律事務所事務職の志望動機を準備するに当たっては、以下の3つのポイントを意識する必要があります。

  • 法律事務所は、法律の専門家としてクライアントの抱えるトラブルに取り組み、クライアントの法的権利を守ることで社会正義の実現に寄与する存在である
  • 法律事務所事務職の適性には、「コミュニケーション能力」、「向上心」、「法律事務所事務職が弁護士を補佐するプロフェッショナルだと理解できること」が挙げられる
  • 応募先の法律事務所の「取扱分野」、「事務職の具体的な担当業務」、「所長弁護士の理念・ひととなり」から事務所の運営方針を読み取ることが重要

法律事務所事務職の志望動機サンプル

志望動機は、面接だけではなく書類選考で必要な場合もあります。300字以内と指定された場合の志望動機のサンプルを見てみましょう。

私が貴事務所を志望する理由は、前職での経験を法律事務所という社会的意義のある職場で活かしたいと思ったことにあります。

法律事務所の事務職は、法的トラブルを抱えるクライアントの権利を擁護し、社会正義の実現に寄与する法律事務所を、縁の下で支えています。私は前職で営業事務をしていましたが、営業職の意図を汲んで資料を事前準備するなどし、営業職を支えてきました。これは貴事務所で多忙な弁護士を支えるに当たり、ぜひ活かしたい経験です。

また××先生の「借金で苦しむ方を救いたい」という理念は、社会正義の実現という意味で非常に感銘を受け、ぜひ先生の下で働きたいと思いました。どうぞ宜しくお願いいたします。

これで294文字です。

字数制限の都合上、これまでに見てきた3つのポイントすべてを入れていませんが、要点は押さえています。字数制限がある場合は、これまでの重要ポイントから自分が書きやすいポイントだけにしぼって作成してください。

志望動機を練って採用を勝ち取ろう

法律事務所の事務職になりたいという熱意があるならば、ぶっつけ本番ではなく事前に志望動機を練り、その熱意を採用担当者に伝える必要があります。伝わらない熱意は、採用試験においてないのと同じだからです。

法律事務所の事務職は、たくさんの魅力に満ちた専門職です。採用担当者を納得させる志望動機を準備することで、ぜひ、この魅力ある仕事を勝ち取ってください。

こちらも読まれています
RECOMMENDED

閉じる