法律事務のお仕事は未経験者や異業種からも転職できる?

未経験者

法律事務に興味があれば、条件に合う求人情報を見つけたら知識や経験がなくてもまずは応募してみましょう。法律事務所では、弁護士をサポートしながら事務所の運営に関するあらゆる業務をこなすことが求められるので、法律知識よりもこれまでどのような職務経験を積んできたか、法律事務職に向いているかどうかが大事です。

人気が高まりつつある法律業界

「法律事務」は、「弁護士秘書」や「パラリーガル」の総称です。近年、弁護士事務所や法廷を舞台にしたテレビドラマや映画が増えてきたこともあり、法律業界への就職・転職に注目が集まりつつあります。

法律事務の現状と将来性は?

現在のところ法律事務のお仕事は専門職として資格化されていないため、法律事務所の職員としての位置づけでしかありません。法律事務職員の現状と将来性はどのようになっているのでしょうか。

法律事務職員の需要は増える見込み

近年の司法制度改革により、弁護士の数と法律事務所の数は増えています。また交通事故処理、離婚問題、多重債務などの法的サービスの利用者数も増えているため、今後も弁護士を支える法律事務の需要はますます多くなる見込みです。

国家資格になれば地位も上がる

パラリーガルはアメリカでは専門職として認められた職業ですが、日本では法律事務職に関する公的な資格制度がありません。日本弁護士連合会ではパラリーガルを公的資格にしようとする動きがあり、もし正式に公的資格として認められるようになれば法律事務職員全体の地位や認知度は上がるでしょう。

法律事務の魅力

法律事務は専門性が高く魅力ある職業です。10年、20年と長くキャリアを積みながら働いている人もいます。では、法律事務のお仕事はどのような点が魅力なのでしょうか。

専門性の高い業務なので転職しやすい

法律事務は民間企業での一般事務と異なり、高度な専門性のあるお仕事です。どの事務所でも即戦力となれる人物を求めているため、一度法律事務のお仕事を通じて習熟した知識と経験を身につければ、どの法律事務所でも働くことができます。

転職してキャリアアップが可能

法律事務のお仕事では、経験を積んだ人ほど優遇されるため、一般企業では厳しいような年代の人でも転職するチャンスがあります。よりよい条件を求めて大手の法律事務所や渉外事務所、有名企業の法務部などに転職してキャリアアップを図ることも可能です。

法律事務はどんな人に向いている?

法律事務には向き・不向きはあるのでしょうか。また、未経験者や異業種からの転職者でも、就職・転職の際にどのような職務経験やスキルがあれば有利になるのかについてみていきましょう。

法律事務に向いている人

法律事務所の仕事は大抵の場合忙しく、また業務内容も多岐に渡るため、1人で何役もこなす必要があります。法律事務のお仕事は、どんな人に向いているのでしょうか。

ミスが少なく業務を丁寧にできる人
法律事務で扱う書類は裁判所への提出書類や契約書など重要なものが多いので、誤字脱字などのケアレスミスをしないことが求められます。また、書類のコピー枚数や順番なども決まっているので、こまかな事務作業を丁寧に確実にこなせる人が向いています。

気づかいができる人
法律事務は弁護士のアシスタントなので、弁護士の求める資料を先回りして準備したり、クライアントに対してもさりげない気づかいができることが要求されます。そのため、だれかのサポートをすることが好きな人が向いていると言えます。

守秘義務を守れる人
法律事務所では、クライアントの個人情報を扱うことが多いため、弁護士と働く職員全員に守秘義務があります。機密を漏らさないことは当然のことですが、特に法律事務所は厳しく求められます。

法律事務の仕事に活きる職務経験・スキルは?

法律事務の求人では実務経験を必要としているケースもありますが、未経験でも応募が可能な場合があります。未経験の場合は法律知識を問われることはほぼありませんが、その代わりどのような職務経験があると有利なのでしょうか?

法律事務職務の仕事に活きる職務経験・スキル

秘書業務

法律事務の仕事は、弁護士が使用する書類の作成やスケジュール調整といった弁護士秘書としての側面が大きくなることもあります。あらゆる業務に対し細やかな心配りが要求されますので、秘書の実務経験がある場合は強みとなるでしょう。

財務・経理に関する業務

法律事務所に限ったことではありませんが、財務や経理の知識があれば転職に有利です。小規模な法律事務所の場合は、簡単な経理を任せられることもあります。また、大手の法律事務所でどうしても働きたい場合、パラリーガルや弁護士秘書だけでなく、経理担当として働く選択肢も考えられるでしょう。

パソコンスキル

法律事務は、必要最低限のWORDとEXCELとブラインドタッチのスキルが必要です。Microsoftの能力を問う MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格がありますので、さらにパソコンスキルを高めたい方はチャレンジしてみましょう。

英語のスキル

大手の渉外事務所や外資系事務所の場合、法律事務所の経験がなくても英語の読み書きのスキルやコミュニケーション能力があれば優遇されるでしょう。目安としてはTOEICで900点以上あれば安心です。

法律事務の分野で就職・転職をするために

法律事務は、法律事務所に勤めなければ得ることのできない様々な法律知識を身につけることができるお仕事です。法律事務の分野での就職・転職を目指すには、どのような対策をすればよいのでしょうか。

未経験者・異業種からの転職でも問題ない

法律業界で働いた経験があれば転職には有利ですが、全くの未経験でも、ある程度の社会経験があって法律事務所で働くことに興味があれば問題ありません。法律の知識は仕事をしながら身につけることができます。

法律知識はなくても大丈夫

法律事務所の主役はあくまで弁護士です。そのため、法律の知識がなくても法律事務のお仕事はできます。たとえ大学の法学部で法律を学んだ経験があっても、その知識は実務の世界ではあまり役に立ちません。面接のときには、全く知識はないけれど一からしっかり勉強する、という姿勢をアピールした方がよいでしょう。

大切なのはヒューマンスキル

法律事務所はさまざまなクライアントと接するので、どんな理不尽なことでも冷静に対応できる能力が必要とされます。また、きちんとした言葉づかいができる人や几帳面な性格の人も好まれます。

履歴書の作成に力を入れる

書類審査で落とされることも多いので、履歴書の作成に力を注ぎましょう。「法律事務の経験がなくても即戦力になるかもしれない」と思ってもらえるよう、職務経歴でアピールすることが大事です。新卒で職務経験がない場合は特に志望動機で熱意を示し、保有資格もきちんと書きます。勉強している法律系の資格があれば「勉強中」と記載しましょう。もちろん、最後に誤字脱字がないようしっかりチェックしましょう。

法律事務のお仕事の探し方

法律事務の求人数は、一般企業の事務職に比べてはるかに少数となっています。実際に法律事務の求人を探す際には、どのようにすれば効率よく探せるのでしょうか。

転職エージェントに登録する

転職エージェントに登録し、自分の職務経験をもとに転職に適した法律事務所を探してもらうことを検討しましょう。法律事務所にターゲットを絞ったエージェントもあるので、そこで相談に乗ってもらったり、履歴書・面接対策をしてもらうのもいいですね。

ハローワークに登録する

新聞の求人欄や求人誌にも法律事務職の募集は出ていますが、小規模な法律事務所の場合、ハローワークを通じて採用活動をしている事務所が多いです。またハローワークで紹介してもらって求人応募する場合、よほどのことがない限り書類審査で落とされることがなく、面接まで受けることができます。

法律事務所のHPの採用情報を見る

特に大手の法律事務所の場合は、ホームページに通年で採用情報を掲載している事務所もあります。法律知識がなくても英語を使用した業務経験や秘書の実務経験があれば、積極的にトライしてみてはいかがでしょうか。

未経験でも大丈夫。法律事務所は「転職してから」が重要

法律事務のお仕事は、法律の知識や経験がなくても不安に感じることはありません。弁護士会によっては、経験の浅い事務職員に向けて定期的に研修会を行っているところもあります。大切なことは、新しいことを進んで学ぶ向上心と仕事や周りの人たちに対する誠実な姿勢です。

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