弁護士秘書に求められる人物像~法律事務所の採用担当は何を見ている?

面接官

法律事務所が弁護士秘書として採用したい人物像は、弁護士の業務を最大限サポートしてくれる人材です。具体的にはコミュニケーション能力・協調性があること、気が利くこと、コツコツと正確に仕事をこなす能力などが歓迎されます。さらに、ビジネスマナーやパソコンスキルを証明できる秘書技能検定やMOS資格などがあればアピールになります。

弁護士秘書の面接で重視される人柄とは

弁護士事務所の採用担当者は、面接では資格やスキル面よりもあなたの人柄を知ろうとしています。そのため履歴書を見ればわかることよりも、人柄が伝わるような受け答えを心掛けると良いでしょう。では、どのような人柄が求められているのでしょうか。

弁護士を支えるサポーターとして活躍できる

弁護士事務所では、弁護士がプレーヤー、秘書がサポーターという関係です。担当弁護士が気持ちよく業務を進められるよう、周りに気を配り、幅広い業務を滞りなくこなせる人が求められます。

サポート業務にやりがいを感じられる

法律事務は幅広い業務を担当しますが、あくまでもサポート的な業務内容が多くなります。採用担当者は、「相手が能力を発揮できるよう支えることにやりがいを感じる人」なら、採用したいと思うでしょう。逆に、自分が中心になって仕事を進めたい人、人に指示されるのが嫌いな人は敬遠される可能性があります。

コミュニケーション能力・協調性がある

事務所にもよりますが、弁護士秘書は1人で複数の弁護士を担当します。担当弁護士の指示を素早く理解し、正確に業務を行うためにはコミュニケーション能力が欠かせません。また、1人で黙々と行う仕事ではないので、周りの人と円滑に業務を進められる協調性も求められます。

状況に合わせて気配りができる

弁護士は、体力的にも精神的にもハードな仕事です。弁護士の負担を軽減してくれるような気配りのできる人柄は歓迎されます。ファイリング1つを取っても、見やすさ・使いやすさまで配慮する、書類の準備なら指示がなくても参考になる資料を揃えておくなど、「気が利くこと」はぜひアピールしたい要素です。

職業人として成長する要素を持っている

これまでは、弁護士事務所が求める性格的な特徴について説明しました。次に、仕事に対する態度について見てみましょう。弁護士秘書の経験がなくても、働きながら成長できる人材ならば採用につながるはずです。

向上心・自己解決能力がある

サポート的な業務であっても、「より正確に」「よりスピーディーに」「より気持ちよく」など、常に上を目指す姿勢は職業人として必須です。事務所の業務内容に合わせて、法律的な知識や外国語、パソコンスキルなど新しい事柄も学ぶ意欲を見せれば、より発展的な仕事を任せられるかもしれません。また、わからないことは自分で調べて解決しようとする心構えも大切です。

コツコツと正確に処理できる能力

訴訟や金銭に関わることは、小さなミスもあってはなりません。そのため、法律事務は地味な仕事であってもコツコツと正確に処理できる能力が必要です。また、そのような仕事を飽きずに楽しんでできる人が向いています。

約束を守れる社会的常識がある

弁護士秘書は、顧客の個人情報や社外秘の情報を扱うことがあります。そのため、守秘義務を守れることは絶対条件です。また、裁判所に提出する書類作成など締め切り厳守の仕事も多いため、期日までに処理できる、時間を守れるなどの能力も必要です。

全体的な流れの中で自分の役割を理解できる

自分の担当している仕事が、全体的な流れの中でどのような役割なのかを理解している人は成長が早いものです。「遅れると誰に迷惑をかけるのか」「わからないときは誰に聞けばよいのか」「何のための仕事(書類)なのか」などを考えながら働ける人なら、その点もうまくアピールしましょう。

弁護士秘書の採用で有利になる能力や資格とは

弁護士秘書は、弁護士と違って資格や専門的な能力が必須の職業ではないので、法学部やロースクールを卒業していない人にも十分チャンスがあります。

弁護士秘書の仕事で役立つスキル

弁護士秘書の具体的な仕事内容は、郵便物の発送・整理、担当弁護士のスケジュール管理、宿泊先や旅券の手配、電話・メール応対、来客の対応、ファイリング、書類作成の補助などです。これらは一部ですが、ビジネスマナーやパソコンスキルはどうしても必要になります。

ビジネスマナー

弁護士秘書は、弁護士に代わって来客対応をしたり、顧客を訪問することも考えられます。どのようなシーンであっても、弁護士事務所の人間として恥ずかしくないマナーを身に着けておきましょう。また、正しい敬語で受け答えができれば、面接でも好印象に繋がります。弁護士秘書に必要なビジネスマナーの一部を紹介します。

  • 来客への対応マナー
  • 人物紹介のマナー
  • 電話・FAX・メールのマナー
  • ビジネス文書のマナー
  • お礼状や季節のあいさつのマナー
  • お辞儀のマナー
  • 訪問時のマナー

パソコンスキル

法律事務は、スケジュール管理や顧客管理、書類作成など事務仕事が多いため、パソコンスキルは必須です。少なくともWord、Excelの中級程度のスキルはあったほうがよいでしょう。以下、使えるとよいソフトをあげておきます。

  • Word
  • Excel
  • Power Point
  • データベースソフト
  • スケジュール管理ソフト
  • 会計ソフト

法律の知識

求人がパラリーガルではなく、あくまでも弁護士秘書であればそれほど専門的な法律の知識は求められていないでしょう。それでも、法律事務所職員講座などを受けた経験や、事務所の業務内容に合わせて民事訴訟法や刑事訴訟法などの知識があればアピールになります。

外国語

渉外法律事務所であれば、外国語でのメール・電話対応、契約書の翻訳業務など外国語が必要になることがあります。通常の法律事務所であれば、語学力を問われることはそれほどありません。

あると良い資格

法律事務に必須の資格はありませんが、あると採用時のアピールになり、仕事でも役に立つ資格を紹介します。

秘書技能検定

秘書技能検定は、ビジネスマナーなど秘書業務の基本が身に付きます。無意識に行っていることも、試験に向けて勉強することで再確認できます。

MOS資格

MOS(Microsoft Office Specialist)は、WordやExcelなどのスキルを証明するマイクロソフト社公認の資格です。「パソコンが使えます」と言うより説得力があるのでおすすめします。

司法書士

司法書士は、採用でもかなり有効な国家資格です。通常の事務職員とは別枠の採用になるかもしれませんが、持っていると給与アップも期待できます。

簿記検定

法律事務の仕事では、出納帳の記入など経理関係の仕事を任されることがあります。また、「破産事件」を扱う事務所であれば、帳簿を読み解ける人材は歓迎されるはずです。

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、入りたい法律事務所が企業法務を中心に行っているならアピールになります。

入りたい法律事務所のカラーを調べておくことも大事

これまで弁護士秘書に求められる人柄や能力について紹介してきましたが、もちろんその人物像は法律事務所によって変わってきます。どこの事務所も同じアピールの仕方で良いわけではありませんので、入りたい法律事務所のカラーをよく調べておくことが大切です。
そして、採用担当者は最終的には「うちの事務所に合う人だろうか」という点を見ていますので、素直な自分を出すことも結果的に働きやすい職場への採用につながるのではないでしょうか。

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