弁護士の転職、個人受任の取り扱いは転職先に要確認!

個人受任

個人受任とは、弁護士が自分の名前で個人的に事件を請け負うことを言います。しかし、所属事務所や企業によって個人受任が可能か否かは異なるため、事前確認が必要です。また、個人受任が可能な場合でも、依頼人の個人情報の取り扱いや情報漏洩については十分に注意を払いながら行わなければなりません。

個人受任ってどんなシステム?

所属している法律事務所や企業の仕事だけが弁護士の仕事ではありません。弁護士という職業柄、友人や知人などから個人的に法律相談を持ちかけられることもあるでしょう。そのようなときには、事務所や企業としてではなく、弁護士個人として仕事を受けることになります。

個人受任ってどうやるの?

弁護士が個人的に事件を受任するのは、どのようなきっかけが多いのでしょうか。また、どのようなケースを受任する可能性があるのかについても、見ていきましょう。

個人受任って何?

個人受任とは、弁護士自身が所属している事務所や企業を通さず、自分の名前で個人的に事件を請け負うことを指します。弁護士が個人的に受任する可能性があるのは以下のような案件です。

  • 刑事事件の国選(私選)弁護人
  • 弁護士会や法テラスでの相談業務
  • 友人・知人からの法律相談・法的手続き

報酬の一部を所属事務所に納めるのが一般的

特に、法律事務所の場合は、個人受任が自由とされているところも多くなっています。その場合、依頼者との面談などのために事務所の設備やスペースを使わせてもらえることが多いですが、依頼人から得た報酬の一部を所属事務所に納めるのが一般的です。納める割合は事務所によって異なります。

個人受任ができないこともある

法律事務所を中心に個人受任を認めるところは多いものの、個人受任が禁止されていることもあります。個人受任をしたい場合は、就職・転職先が個人受任を認めているかどうかを事前に確認しておく必要があるでしょう。

「個人受任可」でも受任できない場合がある

求人情報では「個人受任可」となっていても、ボス弁がいい顔をしない、個人受任ができないほど事務所の案件処理が忙しいなどで、事実上受任ができないこともあります。個人受任をしたい場合は、実際に受任が可能かどうか面接時に確認する必要があるでしょう。

企業内弁護士は認められないことも多い

企業では副業が禁止されているところもあるため、企業内弁護士の場合は個人受任が認められないケースが多くなっています。企業が副業を認めていたり、弁護士自身が週3日などのパート労働者として勤務している場合には、空いた時間で個人事件を受任できることもあります。

個人受任のメリット・デメリット

所属事務所や企業を通さずに誰かが自分のことを頼ってきたときは、「弁護士をやっていてよかった」と思える瞬間ではないでしょうか。しかし、個人受任をするのにもメリットとデメリットがあります。
個人受任は非常にやりがいを感じるものではありますが、あまりに個人的な案件を受けすぎると、本来の業務や周囲の弁護士との関係に影響を及ぼす場合があるため、注意が必要です。

個人受任のメリット:自分の名前で仕事ができる

個人受任は自分の名前で、かつ誰の力も借りずに案件の処理ができることが最大のメリットです。その分プレッシャーも大きいですが、所属事務所や企業の仕事で最低限の収入を得ながら個人でも仕事を請け負うことは、将来の独立に向けた足掛かりにもなります。

個人受任のデメリット:事務所仕事がおろそかになる

個人受任はやりがいを感じるものではありますが、だからと言って事件を引き受けすぎると、事務所で命じられている仕事がおろそかになりがちになる可能性があります。また、周りの上司や同僚との人間関係にも亀裂を生じることも考えられるため、個人受任をする際にはよく考えたほうがよいでしょう。

個人受任の際に注意しなければならないこと

個人で事件を受任する際には、一歩間違えば守秘義務違反になったり、弁護士法違反になったりすることがあるため、注意しなければなりません。では、具体的にどのようなことに注意しなければならないのかについて、見ていきましょう。

法律事務所の弁護士・企業内弁護士に共通する注意事項

弁護士には法律事務所に所属する弁護士と企業に所属する弁護士の2通りありますが、まずはこの両者に共通する注意事項について説明します。

守秘義務がある

個人的に事件を受任した弁護士には、依頼者との秘密を守る守秘義務があります。そのため、上司や同僚にも案件の内容を話すことは許されません。そのため、依頼人からの電話やファックス、郵便物は他人から極力見られないようにするなど、それらの扱いには十分気をつける必要があります。

外出時間の扱いは事前に確認を

個人事件を受任すると、関係者へのヒアリングやリサーチなどで外出する機会が多くなります。その場合、外出時間も勤務時間にできるか否かは事務所や企業によって扱いが異なるため、事前に上司に確認をとっておきましょう。

企業内弁護士の場合

企業で働く弁護士でも、刑事事件の国選弁護人など、企業法務とは全く関係のない案件を受任する可能性があります。企業内弁護士に個人受任が認められる場合には、法律事務所よりもいっそう情報の取り扱いには注意しなければなりません。

所属企業が事件に関与してはいけない

万一、企業が事件に関与すると弁護士法第72条で禁止されている「非弁行為」になる可能性があります。そのため、弁護士が受任した案件には、所属企業は絶対に関与してはならないことになっています。また、法律事務所とは違って報酬の一部を企業に納めることも禁止されています。

利益相反になる恐れも

企業の中で仕事をしていると、従業員からセクハラ・パワハラなどの相談を受けることもあるでしょう。その場合は企業と従業員との利害が対立するため、利益相反になる可能性があります。利益相反になるおそれがあるときは、相談を打ち切ってほかの弁護士を紹介するなどの措置を講じることが必要です。

個人受任ができるかどうかは応募先に要確認!

個人受任が許されるかどうかは、求人応募先の考え方によって異なります。個人受任は自分の名前だけで事件を処理できるためやりがいはありますが、実際に受任をする際は受任が許されるかどうかを確認した上で、まわりの人間関係や仕事量などとのバランスをみながら行う必要があるでしょう。

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