弁護士転職の必須スキル!弁護士に求められるコミュニケーション能力とは?

弁護士のコミュニケーション能力

弁護士に求められるコミュニケーション能力とは

司法制度改革の影響により、弁護士を取り巻く状況は変化しています。ここでは、以前にも増して弁護士に求められるようになったコミュニケーション能力について、その理由を踏まえた上で解説していきます。

なぜ、今コミュニケーション能力が重要なのか

一昔前までは弁護士の資格を持っていれば一生安泰でしたが、今は弁護士と言えども仕事を獲得するために努力をしなくてはならない時代です。顧客から信頼を得て仕事に結びつけるには、コミュニケーション能力が非常に重要となりますが、その理由とは何でしょうか?

様々な顧客に対応するため

司法制度改革の影響により弁護士は増加し、弁護士間の顧客争奪戦は激化しています。その結果、収入の為に顧客から選ばれる努力をせざるを得ない時代になりました。そのため、どんな顧客とも良好な関系を築けるコミュニケーション能力の重要性も高まってきたのです。

業務を円滑に進めるため

組織で業務を円滑に進める上では、チームワークの向上を図ることが重要と言えます。それを実現するには、それぞれの役割分担を明確にすることに加えて、お互いへの配慮が大切になります。ただし、お互いに率直な意見を言い合える職場の雰囲気作りも大切です。またお互いに意思疎通を図り、連携し合うことで無駄をなくすこともできます。

弁護士のコミュニケーション能力、具体的には

一口にコミュニケーション能力といってもいろいろあります。では弁護士に求められるコミュニケーション能力とはどの様なものなのでしょうか。ここでは細分化しながら具体的に解説していきます。

  • ヒアリング能力
  • 説明力
  • 交渉力
  • 質問力
  • 基本的なマナー

ヒアリング能力

弁護士の業務では、ヒアリング能力は重要なスキルです。案件の中には一筋縄ではいかないものも多く、クライアントとの密な面談を経て問題解決にあたることが望まれます。その際、弁護士が一方的に話すのではなく、クライアントの話に共感しクライアントが本当に望んでいることは何かというニーズを引き出すことです。多くの場合クライアントは素人であり、必要なことを漏れなく弁護人に伝えるのはなかなか難しいものです。そのため、弁護士側がそれをうまく引き出さなければなりません。

説明力

説明力も、弁護士には不可欠なスキルと言えます。職場の中でも、業務を円滑に進める上で報連相は必須です。そして悪い情報ほど、迅速かつ正確に報告することが必要なのです。例えば会社に損害が及びそうな場合では、報告が遅れたケースは勿論、伝わった情報が不十分だったりすると取り返しのつかない事態に陥る可能性もあります。その際、事情が複雑で口頭での説明が困難な場合には分かりやすい様に図や表を利用するのも手です。加えて平成21年から導入された裁判員裁判では、陪審員として無作為に選出された一般人にも事件の内容が分かる様に説明する能力が求められます。

交渉力

交渉力は弁護士の職質上、最も必要なスキルの一つです。確かに強い口調や態度で相手を打ち負かし思い通りの結果を得ることもできるかもしれませんが、それは交渉とは言えず、後に大きな損失となり返ってくることになりかねません。弁護士業務では、交渉相手は上司、部下、ステークホルダーなど多岐に渡ります。しかしいかなる場合であっても謙虚な姿勢で相手の事情も配慮しながら自分の要求を伝えることが重要と言えます。

質問力

クライアントから法律相談を受ける際、相手に対する質問力も非常に重要です。事務所に相談に来るクライアントは感情的になっている場合が多いため、弁護士の側でうまく会話の流れをコントロールしながら、相手から必要な情報を引き出さなければなりません。その際、弁護士が相手の話を理解した上で「このとき、ほかにだれか同席されていましたか?」などと質問すれば、クライアント自身が気づかなかった事実や視点が見えてくることもあるでしょう。

基本的なマナー

弁護士がおざなりにしがちなのが、クライアントに対するマナーです。弁護士と言えどもやはり明るく丁寧な挨拶ができることやメールなどで問い合わせがあればすみやかに回答することなどは非常に重要なポイントと言えます。きちんとしたマナーはクライアントと接する場合に必要なのは言うまでもなく、社内でも信頼関係を構築するために最低限要求されることです。

人脈づくりにもコミュニケーション能力が活きる

クライアントとのかかわり方が重要視される弁護士業界では、高度なコミュニケーション能力があると何かと有利になるのではないでしょうか。ここではコミュニケーション能力が役に立つ場面を具体的に解説していきます。

弁護士といえども人脈は必要

債務整理や離婚調停等の個人レベルの事件から、事業再建やM&A等の企業に関する問題に至るまで、弁護士は様々な案件を手掛けなければなりません。ときには独力では解決が難しく、他人の力を借りなければならないこともあるでしょう。そのため、弁護士には人脈づくりも大切です。

他の士業と連携できるようにする

弁護士同士の繋がりは勿論のこと、他の士業とのネットワーク作りが非常に重要です。司法書士や公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士などとネットワークを構築し、関連業務が発生したらすぐに連携して事にあたれる体制を構築しておくと役に立つでしょう。そうすることで、様々な事案にワンストップで対処できるようになります。またこのネットワークはいざというときにきちんと機能するように、日ごろから維持することを心がけることも大切と言えます。

他業種とのネットワーク

弁護士とは直接の関わりがない様な業種との人脈づくりも、案件を獲得するためには大切です。特に、企業の取締役や大会社の総務部等の人と繋がっていれば、訴訟の際に声がかかる可能性も高まります。加えて、様々な業界のいろんな人と話し交流を深めて知識の幅を広げることは、その時は役に立たなくても後に法律トラブルを解決する際の助けとなることもあるのです。

これからの弁護士には高いコミュニケーション能力が求められる

弁護士には高いコミュニケーション能力が求められます。様々な事象に関係する法律を扱う弁護士はいかなる場合も周囲への配慮や依頼者への共感、礼儀正しさを忘れず、謙虚な姿勢を持つことが重要です。コミュニケーション能力は一朝一夕に身に付くものではありません。そのため、日頃のちょっとした心がけが大切と言えるでしょう。

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