法律事務所の求人・傾向と対策~法律事務所の採用情報は一般企業と探し方が違う?
司法制度改革に伴う弁護士数の増加により、法律事務所の数も求人数も増加傾向にあります。法律事務所の求人の探し方としては、新聞やタウン誌などのメディアで探す方法もあれば、インターネットで探す方法もあります。また、人材紹介機関を利用して求人の紹介を受ける方法もあるので、それぞれの方法の特徴について探っていきましょう。
法律事務所での事務の仕事とは?
法律事務所で事務方を担うのは、事務職員やパラリーガル、弁護士秘書といった肩書きを持つ人たちです。弁護士秘書は、多忙な弁護士に代わり事務業務を行いますが、職域はひとつの業務にとどまりません。電話応対・来客対応・書類作成・弁護士のスケジュール管理など一人で何役もこなす必要があります。
様々な仕事を正確にさばいていくマルチタスク能力と法律を扱う職としての専門性、双方の職能が求められる業務であり、一見するとハードルが高そうなイメージもありますが、安定した仕事を継続的にしっかりとこなして生活していきたい、という方に人気のある職業です。
法律事務所の求人採用、最近の傾向は?
一般企業の求人は大手の就職・転職サイトに行けばいくらでも見つかりますが、法律事務所の求人はそうしたところでは見つけにくいのが現状です。また、求人があったとしても募集人数が1名もしくは若干名のところがほとんどで、大々的に募集することはまずありません。そのため、法律事務所の求人を効率的に探すには、法律に関わるお仕事に特化した求人サイトや人材紹介会社を利用するとよいでしょう。
弁護士増加に伴い、法律事務所の事務職にも注目が集まっている
司法制度改革により、弁護士数や弁護士の求人数が増加していますが、それに伴って弁護士業務を影で支える事務職にも注目が集まっています。
司法制度改革による弁護士数の増加
1999年に司法制度改革が行われて以降、弁護士の数は年々増加傾向にあります。日本弁護士連合会のデータによると、特に2006年頃からの弁護士数の増加の仕方が顕著となっており、今日に至るまで年間1000〜2000人ペースで増え続けています。(※1)
一般企業と比べると求人数はまだまだ少ない
注目は集まりつつあると言え、一般企業事務職などに比べると求人数自体はまだ少数です。小さい事務所では、求人募集数が若干名や1名のみというところも少なくありません。そのため、どのように求人情報を得るべきかをきちんと知っておく必要があります。
法律事務所の求人情報の探し方を知ろう
では、具体的な法律事務所の求人情報の探し方について見ていきましょう。
求人情報を探すときに使えるツールとして、主に次の4種類があげられます。
- 紙媒体で探す
- インターネットで探す
- 紹介サービスを利用する
- その他、こんな地道なアプローチ方法も…
(1) 紙媒体で探す
まず紙媒体では新聞やタウン誌、インターネット媒体では求人情報サイトで法律事務所の求人情報を探す方法があります。
新聞の求人情報欄をチェック!
法律事務所の求人情報は、朝日新聞の日曜版に掲載されていることが多いです。ひとつの枠に対して求人が殺到するため競争率は高いと言えます。また、朝日新聞の折り込みチラシでも法律事務所でのアルバイト・パートを中心に求人情報が掲載されていることもあります。
タウン誌に求人情報が掲載されていることも
地方の法律事務所では、地元のタウン誌を利用して求人募集をしているところもあります。地域密着型の事務所で働きたい人にはこちらで求人を探してみるのもおすすめです。また、地域別フリーペーパーの求人誌にも情報が掲載されていることがあるので定期的にチェックしましょう。
(2) インターネットで探す
まずは手軽に使える求人情報サイトを抑えるべし!
求人情報サイトは、24時間いつでも手軽に応募ができるところがメリットです。一度履歴や職務経歴の情報を登録しておけば、ボタン一つで応募できるサイトもあります。メジャーな就職・転職サイトに登録しておくのはもちろんのこと(ただし倍率は高いため注意が必要)、法律分野専門の求人情報サイトなどもあるので探してみましょう。いち早く求人情報に出会えるポイントは、複数のサイトに登録して日々更新される情報を常にチェックすること。スマホで見れるサイトも多いので、良質な求人情報がありそうなサイトは、確実におさえておくことがおすすめです。
各都道府県弁護士会のホームページ
弁護士会のホームページでは、求人情報のページから求人募集をしている法律事務所を検索することができます。そのほか、地域の弁護士会館の本部や支部に履歴書や職務経歴書を持ち込み、置いてもらうことも可能です。
法律事務所のホームページ
各法律事務所のホームページでも求人を募集しているところがあります。しかし、そこにたどり着くには、検索エンジンで「東京 法律事務所 求人」「法律事務所 東京 採用」などのキーワードを入れて粘り強く探すことが必要です。求人専用の検索エンジンを使うのもよいでしょう。
(3) 紹介サービスを利用する
求人の紹介が受けられる機関として、もっとも有名なのがハローワークです。また、人材紹介会社などを通じて情報を探す方法もあります。
ハローワーク(職業安定所)
ハローワークでは就業条件について詳細が明確に記載されている点がメリットです。実際に面接に行って就業条件が求人票と異なっていればハローワークに通報もできるため安心です。ただ、紹介を受けるには窓口に行かなければならず、少々手間がかかります。
人材紹介会社
法律関係の職業専門の人材紹介会社に登録して紹介を受ける方法もあります。しかし、経験者を重視する採用傾向があり、実務経験がないと厳しい面もあると言えるでしょう。企業によっては、未経験の方のためにパラリーガル養成講座などを開いているところもあるので、それを利用するのもひとつの手です。
(4) その他、こんな地道なアプローチ方法も…
上記で挙げた他に以下のような方法もありますが、この方法で就職する人はどちらかといえば少数派です。参考までに見ていきましょう。
大学の就職課に届く求人票をチェック
所属弁護士の出身大学で募集をかけているところが多い傾向にあります。しかし、一から社会人教育をしている余裕のない事務所も多く、社会人経験のない新卒の募集はかなり少ないのが現状です。
縁故で就職につながることも
表立って求人募集はしていないものの、弁護士が知り合いの方や家族などに「いい人がいたら紹介して」と頼んでいるケースがあります。そういった経緯で声をかけてもらうことができれば、実際に就職に結びつく可能性は高いでしょう。
より良い法律事務所に出会うには、たくさん応募することが大切
法律事務所の求人は、1件1件は狭き門ですがいろんな法律事務所が求人を出しているので、とにかくたくさん応募してみることが、より良い法律事務所と出会うための近道です。みなさんが自分の相性の合う法律事務所で働けることをお祈りしています。